遺言書 自分の死後、配偶者や子供たち、あるいは両親、兄弟、姉妹等、法定相続人が相続財産をめぐって骨肉の争いを繰り広げることを避けるためには、遺言書を書くことをお勧めします。また、法定相続人以外の人に相続財産を残したい場合も、遺言書が有効です。 遺言書は,日付が新しいものが有効 内容が矛盾する遺言が複数存在する場合、一番新しい日付のものが有効で、その他は取り消されたものとなります。 遺言の内容 遺言書の内容は、主に、どの財産を誰に残すか、どんな割合で遺産分割させるかというものになる場合が多いと思われます。 遺言書に書いても,法的に効力を持つ事項と持たない事項があります。自分の意思を死後確実に実現させるためには、遺言したい内容を弁護士に伝え、遺言書の内容をととのえたうえで、遺言公正証書(公正証書遺言の項参照)を作成してもらうことが最善の方法です。 遺言書の書き方 遺言書には、次の種類があります。 1.自筆証書遺言 遺言者(遺言をする人)が、自分で遺言の内容の全文、日付、氏名を書き、署名の後に捺印します。自分で手書きすることが必要です。代筆は認められません。 遺言者が死亡した後に、家庭裁判所の開封検認手続きが必要です。封をしてある場合には、裁判所が相続人の前で開封し、内容を確認します。これは、遺言書の内容が偽造変造されないようにするための手続きで、遺言書が有効か無効かを判断するものではありません。 2.公正証書遺言 公証役場で公証人に遺言の内容を伝え、2名の証人の立会いのもと、公証人に作成してもらいます。 遺言公正証書の原本は公証役場に保管されます。 公証人の手数料は相続財産の額によって決まります。 3.秘密証書遺言 遺言者(遺言をする人)が、遺言の内容を記載し、署名捺印した書面を封筒に入れ、同じ印鑑で封印し、2名の証人の立会いのもと、公証人に遺言書であることを証明してもらいます。 自筆証書遺言と異なり、遺言の内容を自分で手書きしなくてもかまいません。 秘密証書遺言を作成した事実だけが公証役場に記録として残ります。 公証人の手数料は一律1万1000円です(平成18年6月現在)。 自筆証書遺言と同様に、家庭裁判所の開封・検認手続きが必要です。
遺留分 遺言の内容にかかわらず、相続財産の半分は遺留分として法定相続人がそれぞれの法定相続分に応じて相続する権利があります。この遺留分を侵す遺言がなされている場合は、法定相続人が遺留分減殺請求をすることによって、遺留分を取り戻すことができます。 遺留分減殺請求 遺留分減殺請求の方法は特に定められていませんので、口頭の請求でも有効です。ただし、口頭の請求では、言った言わないでさらに争いが複雑になるおそれがありますので、内容証明郵便等、記録が残る形で請求するべきです。